2019年3月9日(土)に、鶴岡市は山王通り商店街にある「旧新穂醤油屋」で開かれた「ナリワイ起業講座報告会&2019春の説明会」に恐る恐る(?)参加した私、ガンバリーニ杏子。
今回はその後編のレポートです。
前半が気になる方は「ナリワイ起業講座報告会&2019春の説明会 前編」をご覧ください(*’▽’)。
ナリワイ起業講座報告会に参加しました
全部で6名の発表者がいた「ナリワイ起業講座報告会」。後編は4人目の発表者である佐藤勝彦さんからはじまりはじまり~。
加茂在住、色々濃すぎる「合同会社かもデザイン」佐藤勝彦さん
先に言ってしまいますが、濃い。
4人目発表者の佐藤勝彦さん、濃い。何ていうか、ジェットコースターみたいなプレゼンでした。もちろんいい意味で!
まずは佐藤さんのプロフィール紹介から始まったんですが……学校を卒業して10代で上京し美容師になったものの、仕事や練習ばっかりで全然遊べないし遊び方も知らなかったため、20代でバックパッカーデビュー@アメリカ。ウェイウェイ系パリピでカオスな生活を送った後、日本に戻ってきて不動産業界に就職してバリバリ仕事をこなしたというのですが……すでに3人分くらいの人生送ってません?と突っ込みたくなったのは私だけではないはず。
佐藤さんの20代を図に表すと、こんな感じだったそうで……うーん、カオス。
しかし現在は家族と共に鶴岡市の加茂在住。
ちなみに加茂は、他の参加者からも「え!?加茂に住んでるんですか!?」って言われるほどの辺境(?)。
年間50万人ほどが訪れ、全国的にも有名な「加茂水族館」があるにもかかわらず、住民は少ないしお店もコンビニもないしで、鶴岡の人にとっても「あそこって、人住んでるんだ……」レベルらしい。生活に必要なお店すら事欠くくらいなので、当然のごとく観光客向けの土産物屋さんもない。年間50万人来るっていうのに!そりゃいかん、加茂の活性化、自分やります!と手を挙げ、店舗探し、自治体への報告など色々と動き始め、情報収集をしていた時にたまたまナリワイ講座を見つけて参加……って……
※ちなみにこの佐藤さん。3人目発表者のこだまさんの企画書をいつの間にか作っていつの間にか役所やJAに話を持って行った張本人。行動力ェ……( ゚Д゚)
そんなチャレンジ精神溢れる佐藤さんが立ち上げたのが、「合同会社かもデザイン」。
観光にスポットを当て、加茂に住む人々と観光客の距離を縮めるお手伝いを事業とする「かもデザイン」は、日本海で穫れた海の幸の移動販売、加茂の商品を取り扱うWebショップ、そして加茂で遊べるアクティビティを通して加茂を活性化し、得た利益を地元に還元するという理念を持っているそうなんですが……もうそれ、「小さな起業」通り越して一大起業だ!( ゚Д゚)
特に「移動販売」に関しては、お土産屋さんをきっかけに町おこし⇒店舗見つからない⇒なら昨今見かけるオシャレなトレーラーワゴンで移動販売だ⇒しゃれおつワゴン高エ……⇒そうだ、これだ!
軽トラだ!!! って、エエー!マジで軽トラだ!!( ゚Д゚)
「買っちゃいました(テヘペロ)」と笑顔で言う佐藤さん……行動力の塊すぎる……あとABBA……
佐藤さんがここまで加茂の町おこしに奮起するのには、「自分の子供たちのためにも加茂をアップデートしたい」という想いがあるから。移住当初はアリすら触れなかった子供たちが、今や自然に親しみ、巨大なトノサマバッタ採集に出かけたり、佐藤さんでも触れないアメフラシを手にのっけたりできるようになったそう。佐藤さんのプレゼンからは、家族に大きな変化を与えてくれた加茂に何かしたい……という強い意志を感じました。
ちなみに、加茂アップデートのための構想として、女子力アップサーフヨガ@加茂や、夕陽が見えるカフェ・レストランなど、「おしゃれな海辺の観光地にはあるのに加茂にないもの」があるそう。佐藤さんの行動力があれば、そのうち加茂の海辺がイマドキ女子で溢れるスポットに変わっちゃうかも!? 加茂だけに!
今後どんな展開がなされるかは、「合同会社かもデザイン」のウェブサイトをチェックチェック~(*’▽’)
「合同会社かもデザイン」:https://kamodesign.net/
子育て支援で庄内のママたちを繋ぐ!フリーランス保育士・前田ひとみさん
皆さんの発表が個性爆発オカモトタローな感じで引き込まれているうちにあっという間に時間が経ち、残るはあと2人。
5人目の発表者は、前田ひとみさん。
鶴岡市在住のフリーランスの保育士で、鶴岡市の子育て支援センターでのイベントや学校での英語と読み聞かせのボランティアをしたり、ママたちが情報交換をしたり、お互いを尊重しながら今話したいことを話す「NPプログラム」の実施など、色々な活動をされている方。ちなみに「NP」はNobody’s Perfect、「完璧な人はいない」の略。パーフェクトな人はいないから皆で助け合おうよ、という温かさが伝わってきますよね。
ところでフリーランスの保育士さんって、何だか斬新な気がするのは私だけ……!?( ゚Д゚)
そんな前田さん。ナリワイ起業講座に出会う前から子育て支援に関わっており、鶴岡市総合計画の厚生専門委員として審議会で意見を述べたこともある、いわば育児のスペシャリスト。
それなのに何故ナリワイ起業講座に参加したのかというと、ママたちをもっと笑顔にするために何かしたい・何ができるかという気持ちが溢れそうになってしまったから。そして、「地域のこまりごと」と「自分の好きなこと」を掛け合わせるという講座のコンセプトに共感し、今していることをこれからも変わらず続けていく、というのをナリワイにしたそうです。
そしてナリワイ起業講座をきっかけに、おうちパンマスターの資格取得に子育てアドバイザーやコーチングスキルの勉強に加え、ママたちがリフレッシュでき、情報交換ができる場所づくりのためコピアや子育て支援センターを訪問……って、またもや行動力がすごいんですが……!( ゚Д゚)
こんな方がいれば鶴岡のママたちの未来は明るい! 私が住んでる酒田も頑張ってほしい!
少子化の問題があちこちで語られる割にママたちへの負担が大きく、子育てに悩む人も多いと言われる昨今の日本。でも、前田さんのプレゼン資料の中に書かれていた「いつか、子供たちが思い出すママの顔は、笑顔であってほしい」という一文がとても心に残りました。子育てをまだ経験したことがない私には考えが及ばないところもありますが、ママたちが笑顔で、そして安心して子供と触れ合える社会になったら素敵ですよね。
文化交流施設計画進行中! モッタイナイ精神で前へ進む古民家の主、富樫あい子さん
最後の発表者は、本日のイベント会場ともなっている古民家の主・富樫あい子さん。いやこの方も……なかなかぶっ飛んで個性的でいらっしゃる( ゚Д゚)。
現在は旦那様と共にやっている個人事業の「かしの木農園」が5年目を迎えただけでなく、2人の男の子を育てるママの顔も持つ富樫さん。
酒田市生まれで、高校卒業後に地元で会社員になったものの、配属された営業が向いておらず6年後退職。ここからが不思議。会社から退職金が出て思ったのは、「そうだ、パリにいこう」。
もう1度言います。「そうだ、パリに行こう」。
パリっていう名前の近所のお店じゃないよ。ヨーロッパのフランスにあるパリだよ。ちょっとそこまでって距離じゃないよ。でも富樫さん、荷物を持って行っちゃったんだそうです……そしてアパルトマンを借り、パン屋と蚤の市をめぐる一か月を過ごしたんだそう。へ、へー……( ゚Д゚)
しかもこれだけじゃない。帰国後、無敵モードになった富樫さん。つても何もないパン屋さんに「たのもー」と尋ねていき、そのまま4年間修行。そしてだだちゃ豆農家の長男であるご主人に出会い、結婚、今に至る……と。
しれっとプレゼンしてますけど、これまた数人分の人生を生きちゃってるような人が出てきたよ、ナリワイ講座恐ろしい子……!
そしてご主人と始めた「かしの木農園」では、形が悪いなどで出荷できない農産物を使ってお菓子を作り、地元マルシェでの販売を行っているそう。
そのお菓子たちには「はたけのおやつ」というシリーズ名がついています。誕生のきっかけは、嫁ぎ先のだだちゃ豆農家で廃棄される収穫物の量に戦き、それを使って何かできないかと試行錯誤した末に「えだまめのチーズケーキ」を誕生させたこと。富樫さんによれば、実に収穫しただだちゃ豆の約3割が正規品としては出荷できない……って、ええええええモッタイナイー( ゚Д゚) でもそれを利用して別の形に生まれ変わらせることを思いつくなんて、発想力が素敵。さすが突然パリに行く人は違う(偏見。
そして、現在の住居である建物(今日の会場)との出会いも話してくれました。
鶴岡市内の物件を探していた時に出会ったこの古民家。誰も住んでないのでもちろん中はぼろぼろ……しかし築120年以上の建物が壊されてしまうかもしれないなんて、モッタイナイ!!!と古民家生活をスタートさせました。
リフォームをしつつとはいえ、そこはやはり古き建物。春夏秋冬を通して色々と不具合もあったようで、一番衝撃的だったのは「天井裏をネズミが駆けるのであちこちにネズミ捕りを仕掛けたら、長男がかかった」というエピソード。ちょ、長男大丈夫!?( ゚Д゚) 富樫さんも笑って話してますけど、大丈夫だったん!?
富樫さんがここに住み始めたのは、ナリワイ講座に出会う前。「もったいない」という想いをきっかけに色々と成し遂げてきて、いつしか「古い家を直して暮らすことを通して、ここにしかないまちのストーリーを発信できないだろうか」と考えるようになったんだとか。そしてナリワイ起業講座に出会い、今日この場にいるとのこと。
そんな富樫さんは今何をしているかというと、この古民家を、菓子工房とカフェを中心とした文化交流複合施設「山王 古今(ここん)」にトランスフォームする計画を進行中。
この春から改装工事をしちゃいます☆秋頃完成予定☆……って、軽やかに言うけどまた何か大規模なのきた……!( ゚Д゚)
古今の中に入る機能(予定)は、カフェ・菓子工房・テナント・販売スペース・レンタル座敷・事務所・住まい……と、壮絶盛りだくさん。そして、古今が目指すのは、古きを生かし、新しいものやことを生み出すストーリー作り。
訪れるだけでほっと心安らぐ古民家の「山王 古今」。完成したら是非行ってみたいと思います。
ナリワイ起業講座報告会が終了、そして春の講座説明会へ
いやあ、濃い……ダブルのエスプレッソに濃厚ミルクを入れたくらいに濃ゆい発表でした……
皆さんのアイディアや行動力たるやすさまじく、でも決して「私、起業したんです(ドヤァ)」的な雰囲気や、「起業したからには一儲けじゃあ、利益利益!」なんて鼻息荒い感じも一切なく、逆に全員から感じたのは……何だかとっても楽しそうということ。
報告会が終わって一旦解散となった後も、皆で集まってワイワイしていたり、自分の現状報告をしていたりと、本当に「仲間」という感じ。自分の好きなことに向き合って、それをきっかけに起業して、しかも仲間ができるなんて……そんな美味しい話があっていいの?( ゚Д゚) でも目の前の皆さん実際そうだし……あれ、もしや私、ナリワイ講座に恋……しはじめてる?
はいそこで、春のナリワイ起業講座説明会のお時間です。卒業生の話をうわーっと聞いた後、ナリワイに興味がある人向けの説明会もあるだなんて、井東さん(代表)ったら、策士ね☆
自分がほしい未来を自分で、そして仲間と一緒に作ろうと、自ら動く人を増やすことを目指すナリワイプロジェクト。
「借金しないで小さく起業」するというナリワイでは、「今の仕事を捨てて、全身全霊死ぬ気で起業しな!!!」なんてことは言われません。それどころか、目指す利益が月3万円なので、収入のベースとなる別の仕事を持つ「複業」をすすめています。
だって、今の仕事を辞める必要もないし、新事業のために借金をすることもないんだもの。
一念発起で起業したとして、「色々手続きが難しい&面倒」という以外で一番二の足を踏ませるのって、ぶっちゃけ「失敗した時に借金を抱え込むのが怖い」だったりしません? 少なくとも私はそう。起業には、ハイリスク・ハイリターンなイメージがある。
でも、「資金を借りる」っていう大前提部分がないとしたら……もしかして、気軽に一歩踏み出せたりするんじゃない? さすが、普通の人がちょっと頑張れば起業できる仕組みづくりをしているナリワイプロジェクト。
結論から言うと、特に、裏、なかった(*’▽’)。
これも小さい起業を目指しているから? 光が強ければ闇も濃いものだけれど、起業のサイズが小さい分、心配するような影がない。むしろ、「これなら私にもできるかも」と思わずにはいられない……おや、私も起業、しちゃう? そんな風に思ったあなた。「ナリワイ起業講座 春」が、2019年4月から始まります。
じゃあ申し込んじゃお~と早速思った方、事前に面接があるそうなので、まずは申し込みのうえ面接を受けてみましょう。面接といっても、リクルートスーツで「ナリワイ起業講座を志望した理由は!」なんて滔々と述べる場ではなく、ナリワイプロジェクトの考えを会って直接話し、またあとから「どうしてこうなった!!」とならないよう、主催側と参加側の相性をみるという意味合いもあるんだそう。なので、気楽に受けてくださいね~とのこと。
そして気になる参加の条件ですが……「やる気」と「コミュニケーションスキル」。この2つだけ。起業に関する小難しい知識は必要ナシ!あ、でもFacebookのアカウントは必要だよ!連絡や情報共有がFacebook経由で来るから!
ここ大事なのでもう一度。ナリワイ起業講座に参加したい人は、予めFacebookのアカウントを作っておくべし!
「ナリワイ起業講座報告会&2019春の説明会」に参加してみて
「好きなことやモノが何もないという人はいない」というのは、かの起業家ホリ〇モンがどこかで言っていた言葉。
強弱はあれど、「あれが好き」「これがやりたい」は大体の人が持っていますよね。しかしそれを仕事につなげようとすると……一気に心のハードルが上がってしまうんじゃないでしょうか。でもどうせなら、自分の好きなことを仕事にして、それでお金がもらえたら最高じゃないですか? 特に、「大企業に勤めてたら一生安泰」というわけでもない時代に生きている私たちにとっては、起業はある種のサバイバル術の一つだと思うんですよね。
自分に力をつけておけば、何があっても強く生きられる。ナリワイ起業講座は、その一歩を踏み出す後押しをしてくれる。もし挫折しそうになったとしても、一緒に講座を受ける仲間がいる。しかも先輩もたくさんいる。その数なんと50人以上。1人じゃないから、怖くない。それがナリワイ。
やりたいことを始めるのは、いつからでも遅くはありません。でも、春のナリワイ起業講座に申し込むなら今です。だって、第一回目はもう来月だから。しかも定員6名になるとしめ切っちゃうし……!
東北のさむ~い冬も終わって、そろそろ人々の気持ちも明るく活動的になってくる春先。5月には平成じゃない時代も来るし、自分の何かをちょっと変えてみるには絶好の機会なんじゃないでしょうか。
2019年春。元号も変わるし、そうだ、起業しよう(*’▽’)
(ガンバリーニ杏子)
[contact-form-7 404 "Not Found"]