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<ナリワイインタビュー>no.5佐久間麻都香さん 前編

ナリワイ女性インタビュー第5回目は、放置された柿の木の手入れを行う、柿守人、柿の葉茶の製造販売を行っている佐久間麻都香(さくままどか)さんにお話しを伺いました。

 麻都香さんは、宮城県仙台市出身。山形大学農学部を卒業後、2009年1月から2011年3月まで青年海外協力隊(JICA)でアフリカのブルキナファソに渡航し、稲作の新品種の普及活動をしてきました。「アフリカの農業は、生きることに直結しているのです。」麻都香さんはいいます。 帰国後、再び鶴岡に戻り、国際協力の専門家の道に進みたいと思った麻都香さんは、大学院に進学しました。そして大学院2年のとき、夏休みを利用して、短期のボランティアで再度アフリカに渡航しました。大学院修了後、今はもっと現場の農業のことを知らなくてはいけないと思い、就農を目指し、一年間畜産と柿の農家で研修をしました。そして現在いくつかのアルバイトをかけもちしながら、柿の栽培を中心とした農家を目指しています。

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 ナリワイをしようと思ったきっかけ

いくつかのアルバイトをかけもちしながら、畑を借り家庭菜園程度の畑作も始めました。県の野菜栽培の講習会へ参加したり、この1年は吸収の年にしたいと思っていたとき、知人の紹介で「ナリワイづくり工房@鶴岡」のことを知り、興味があり参加しました。

庄内は柿の産地でも有名ですが、柿の木の世話をする人が高齢になっている場合も多く、放置されていたり、柿がなりっぱなしになっていることも多いのです。そこで、放置されている柿の木の剪定や摘果を行う部活「柿守人~kakimoribito~」を作りました。ちょうど麻都香さんも柿の栽培をしていたので、何か手伝えることがないかと思い部長として活動することにしました。
写真8(麻都香さんと柿畑) 10553728_779602238770856_993559493550657908_o(1)

 実際にナリワイをやってみて

「ナリワイづくり工房@鶴岡」で、津屋崎ブランチ代表の山口覚さんのワークショップがあり参加した麻都香さん「ナリワイはたった一人を喜ばせるために、相手の顔を思い浮かべてやるものだ」いう山口さんの言葉に、自分たちが今やっていることはちょっと違うのではと感じたそうです。それまでは、柿畑の持ち主を助けようという気持ちではなく、剪定や摘果自体の作業を皆で楽しくやること、みんなで気軽に作業することをナリワイにしようと思っていました。当初は摘果した実を競争して拾うという参加者を集めてはという方向で考えていたのですが、何かが違う、と考え直すことにしました。

そこで原点に立ち返り、放置されている柿の木は、手入れされていない、つまり消毒をしていないので、無農薬であるだろうと思い、その柿を使って何か喜んでもらえることはと考え直しました。そこで生まれたアイディアが無農薬の柿の葉茶を作って販売することでした。

写真4(こしゃってマルシェ)
地元の人にとって柿は「あたりまえにあるもの」「買うものではなく貰うもの」「食べ飽きたもの」というイメージが強く、あまり前向きな意見が聞こえてきません。そこで、柿の葉茶を作り、販売していくことで、庄内柿をもう一度見直してもらえたらと考えています。

昨年度は、柿の葉の収穫に行ったのが7月、それから柿の葉茶について調べ、9月の「ナリワイづくり工房@鶴岡」の中間報告会のときに、試作品を発表しました。その時の柿の葉は既に固かったのですが、若い葉の方が味が出やすいことから、今年は5月に柿の葉を収穫し、7月に開催されたこしゃってマルシェでは12個販売し、完売したそうです。
後篇に続く


佐久間麻都香さん
仙台市生まれ
20代
ご主人と二人暮らし
柿守人http://kakimori.handcrafted.jp/


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