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<ナリワイインタビュー>no.8 丹治亜香音さん 前編

ナリワイインタビュー第8回目は、2014年にNPO法人明日のたね(子育て支援団体)を立ち上げ、ナリワイプロジェクトの事務局なども兼任し活動している丹治亜香音(たんじ あかね)さんにお話しを伺いました。

鶴岡市出身の亜香音さんは北海道の短大で体育を学んだ後、鶴岡のスポーツクラブで10年ほどスイミングインストラクターをしていました。出産を機に退職し、専業主婦になったもののまた働きたいと考えた亜香音さんは、「子どもが好きだし、子どもに関わる仕事をしよう」と保育園で保育補助の仕事を始めます。しかし、延長保育に自分の子どもを預けながら、保育士の資格もない自分が子どもの面倒をみていることに葛藤があったそうです。その後、事務職へ転職したそうですが、慣れない事務仕事に「これではダメだ。事務は向いていない、やっぱり子ども相手の仕事がしたい」と再び子どもに関わる仕事を探しました。

あかねさん2

子育て支援の現場へ

子どもと関わる仕事を探しだした亜香音さんは、子育て支援を行うNPO法人が県の事業で募集していた子育て推進コーディネーターとして働き出します。事業の中で情報誌の発行、育児支援のイベントや講座の開催、ブログなどでの情報発信など、子育て支援に関わる業務を行っていました。

その業務の中で、「子育て支援センターはいっぱいあって、子育ての講座なども行われている。私が出来ることは何だろう?赤ちゃんを連れていけて、あえて何もしなくてもいい場所があってもいいはず」と感じた亜香音さんは、お母さんが赤ちゃんを連れてお茶を飲みながら、おしゃべりをしてホッとひと息つける「赤ちゃんサロン事業」を始めます。

あかねさん3

 赤ちゃんサロンを通しての出会い

同時期、庄内地域子育て応援協議会から子育て情報サイト「TOMONI」を立ち上げる会議に出席してくださいという連絡が亜香音さんの元に来ました。何回かその会議に出席し様々な話をするようになってきたタイミングで、赤ちゃんサロンの事業も始まることになりました。でも、場所がない、人もいない、「なにもかも一人でやらなくては」という状態だったと亜香音さんは当時を振り返ります。

「そうだ!ダメもとで協議会に話をしてみよう!」と考え「赤ちゃんサロンをやりたいので一緒にやってもらえませんか?」と声をかけ、東北公益文科大学の教室を借り、協議会事務局の方々の協力を得て、赤ちゃんサロンが始まりました。

赤ちゃんサロンの利用者は1・2名だったこともありましたが「大勢の人に来てもらいたいわけじゃない、1人でもゆっくりしていってくれるお母さんがいるなら続ける」と亜香音さんは考えていたそうです。最初は亜香音さん一人で動き出した企画でしたが、協議会の方々の手助けがあり、最初に来てくれたお母さんが友達を連れてきてくれたり、参加者だったお母さんがスタッフとして手伝ってくれたりと仲間が増え、利用者からは「こういう場所が欲しかった。赤ちゃんサロンがあって良かった。」という声も頂き、やって良かったと感じたそうです。

あかねさん4

この子育て応援協議会との関わりの中で、亜香音さんは2014年にNPO法人明日のたねを一緒に立ち上げることになる伊藤和美さん、佐藤香澄さんと出会います。「赤ちゃんサロンを手伝ってもらったりする中で、この人たちと一緒に仕事をしたら毎日楽しそう。何か面白いことが出来そうだなと思いました。そして、3人ともそれぞれ協議会で立ち上がった子育て情報サイトTOMONIの運営に関わっていた。そのサイトが県の事業が終わって、自分たちの手元から離れるってなった時に、自分が思っていた以上にこのサイトに愛着があって、他の団体に渡ってしまうのがとても寂しかった。出来ることなら自分たちがずっと続けていきたい。それで、サイト運営を私たちに譲渡してもらうために団体を立ち上げたんです。」

「今までは県に守られていた事業をこれからは自分達でやることになった。でも振り返って考えてみたら私たちは、特別な資格があるわけでもない、仕事をしながら子育てしている普通のお母さん。そんな私たちになにができるのだろう。でも、私たちだからこそできることもあるかもしれない。和美さんと香澄さんが一緒だったら楽しいことできそう。だからやってみよう!」そんな思いでNPO法人明日のたねは立ち上がり、子育て情報サイトTOMONIの運営、子育て応援事業を始めました。
後編に続く


丹治亜香音
鶴岡市出身 40代 家族:夫・小4の娘・義母
仕事:NPO法人明日のたね、鶴岡ナリワイプロジェクト事務局、公益のふるさと創り鶴岡などを兼業

NPO法人 明日のたね http://www.shonai-tomoni.jp/


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