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<ナリワイインタビュー>No.3 齋藤智子さん 後編

後編では齋藤さんが「ナリワイ」を始めてみて思ったことや「ナリワイ」を始めてみようと思っている人へのメッセージをお聞きしました!(前編はこちら

「ナリワイ」を始めてみて思ったこと

花だけでなく身近にある草やハーブなども好きな齋藤さんには、心配していたことがありました。この辺ではどこへ行っても野の花や草が溢れているので、都会の人にはウケても田舎の人には受け入れられないだろうと思っていました。ところが実際にワークショップを開催して、こういう身近にある自然のものが好きだという人が多くて驚きました。そしてその気持ちこそ何より嬉しいものでした。

齋藤さんのワークショップで使う材料は、自然にある身近なものばかりです。「自分で素材を探し、それを使うことでより作品に季節感が出て、ワークショップの参加者も地域や作るものに対して愛着が湧いたり、地域を盛り上げる参考になりました。」と齋藤さんはいいます。

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今年度は、昨年のリベンジで、カボチャをもう一度種から植えてワークショップの材料を100パーセントまかなえるように収穫したいと齋藤さんはいいます。ワークショップの回数も増やしていきたいですね。昨年度は、4回のワークショップを通して実際の活動での部員は4名でしたが、全員が集まってのミーティングはできず、部員一人一人との関わりが中心となりました。実質動いたのは自分一人でしたがそれぞれの部員との繋がりができ良かったと思っています。

齋藤さんは、昨年度の「ナリワイづくり工房」の参加を通して、未活用素材の有効活用×得意分野でビジネスを実践できたと手応えと感じています。具体的にどういったことをしながらワークショップを開催しているのか会場の見つけ方、会費の設定の仕方、材料の取得方法などノウハウを学びました。

通常フラワーアレンジメントには花材にはかなりお金がかかってしまいますが、野の草花や未活用素材を使うことでコストを抑えることができ、それを手に入れることで地域らしいワークショップを開催することができました。

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また、今年度は新たな取り組みも考えているという齋藤さん。障がい者の自立支援をしているNPO法人いなほ作業所さんが「花HANA宅配便」というのをやっています。庄内の花農家さんの花を毎月2回、鶴岡市内に配るのですが、花を買っている会員さんが、花のアレンジに困っているときがあるようなので、その花を使い、アレンジするワークショップを企画しています。

 仕事に対するポリシー。自分の根底にあるものは何ですか?

どんな物を作っても自分らしいいいものを作りたいと思っています。
花屋に売っている花だけでなく、身近にある野の花や、剪定された枝や摘果された果実、捨てられてしまうような雑草でもひと手間かけて活けてあげることで、それらに息が吹き込まれ、私たちの生活の潤いになります。自分でもお花が本当に好きなんだとあらためて感じています。

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 これから「じぶんのナリワイさがし」をトライする人へ

生活を維持するための仕事とは別に、これだけは誰にも負けないくらい好きなこと、気持ちの上でなにがあっても続けていけること、をナリワイにするのが近道かな、と思います。

同じ立場にいる者同士のネットワークをもつこと。これは昨年の「ナリワイ工房@鶴岡」の月に一度開催した部長ミーティングで実感しました。悩んだりしたときにアドバイスをもらえたことが本当に支えになりました。雑談の中にもちょっとしたヒントが沢山あります。何気なく聞いているのではなく、自分に当てはめて考えるようにしています。

「ナリワイ」をつくるのは自分自身なので、他の誰かがやってくれると思わないこと。初めから上手くいくことばかりでないし、むしろ失敗を糧に色々体験する中で作り上げていければいいと思います。

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インタビューを終えて

夢で「花屋になれ」とお告げあり、思いきって仕事を辞めてまでお花の仕事を探したという齋藤さんに、始めは驚きましたが、そのお告げ通りにずっと花の仕事に携わってきた齋藤さんは、キラキラと輝いていました。齋藤さんの作る野の花や草のブーケやアレンジメントを見ると本当にお花が好きなんだなぁと伝わってきます。自分の気持ちも潤い、他の人にも喜びを与えるそして地域にも良いこと、これこそが「じぶんのナリワイづくり」の良さなんだとあらためて思いました。


三川町生まれ。40代。
お子さん二人
花のアトリエ チョコレートコスモス*野の花 field flowers* @花のアトリエ チョコレートコスモス


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