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<レポート>ままごとは「飯事」! 6/9 地域のしごとギャザリング2018

2018年6月9日(土)東京・上野で「地域のしごとギャザリング2018」を実施しました。
GW明け、Facebookイベントで募集開始したところ1週間で60名のお申込みをいただき、
呼びかけた私たちが、反応に驚きました。
なぜ今、「月3万円ビジネス」や「ナリワイ」に興味を持つ人が増えているのでしょうか。

当日のイベントレポートからそのヒントが見えるかも。

ギャザリングをはじめたきっかけ

埼玉の草加・杉戸で「わたしたちの月3万円ビジネス」を主宰する矢口真希さんと私(井東敬子)は、ほぼ同時期に、藤村靖之先生の著書「月3万円ビジネス」の考え方をベースにした起業講座をはじめました。

藤村先生が私たちをつなげてくださり、
2015年から壁にぶつかるたび励まし合いながら、今日まで継続してきました。
ちょっと先発の私たちのもとには、
自分の地域で「ナリワイ起業講座をやりたい」という相談が来るようになります。

悩みはほぼ同じ

利益月3万円をめざす小さな起業は、
「ビジネスは大きくするもの」と「いいことはNPO」という既成概念のはざまで、
おさまりが悪く、わかりにくいためか、立ち上げる際は非常に苦労します。

そこで、点で動いている全国の仲間がゆるやかにつながることで、
それぞれが発信力を増し、
日本のどこかで、きっかけを待っている人に届くのではないだろうか、
との思いにたち、トヨタ財団様とエンパブリックの広石さんに相談し、
この会を実施することになりました。

 

絵本「スイミー」のイメージです。

6月9日午前は事務局会議を実施し課題を共有。

今回の呼びかけ人

井東敬子 鶴岡ナリワイプロジェクト
矢口真紀 わたしたちの月3万円ビジネス
広石拓司 株式会社エンパブリック
公益財団法人トヨタ財団 The Toyota Foundation

協力
萩原なつ子教授  立教大学21世紀社会デザイン研究科

 

参加者は全国各地から

私が知る限り、岩手県(花巻、盛岡、雫石)、宮城県(大崎)、山形県(新庄、山形、鶴岡、三川)東京、埼玉、大阪、熊本県

NPO、経産省、県職員、市町村職員、銀行、コンサルなど
様々な属性の方が参加してくださいました。

 

当日の会場の雰囲気を映し出すファシリテーション・レコード

多彩な稲田瑛乃さんは、この日もイラストを書いてくれました!
たまエンパワー株式会社の山川勇一郎さん、協力ありがとう!

当日のプレゼンター(埼玉、鶴岡、恵那、南三陸)

埼玉と岩手をつなぐ親子産直ビジネス
「ツギジィ印の生はちみつ」/赤坂圭子さん

曲げわっぱ弁当から地域で夢叶える
「じゅんちゃんちの曲げわっぱ弁当」/山﨑淳子さん

子育てママの働く場づくり
「シェアアトリエつなぐば」/松村美乃里さん

草加市役所様

 

15のナリワイをかけもちして生きる
工房げるぐど/稲田瑛乃さん

 

鶴岡ナリワイ起業講座卒業生ユニット
ナリワイALLIANCE(アライアンス)
代表 菅原明香さん(あかるさかおる主宰

 

東日本大震災とナリワイ
南三陸で「WEといっしょに〜小さなナリワイ塾」を開催
NPO法人ウイメンズアイWE/塩本美紀さん

 

2018年春に立ち上げたばかりの
えなナリワイプロジェクト
太田礼子さん

 

萩原なつ子教授がライブでひもとく(キーワード)

以下は、「わたしたちの月3万円ビジネス」代表矢口真希さんまとめ


・好きなことをしごとにする
・ちいさく持続可能なしごとづくり
・しごとづくりはままごと(飯事)だ!それが何か!?
・ワクワクするWorkがJobにつながっていくように
・ひとつのしごとでは変わらなくても、人としごとが掛け合わされることで地域の課題が解決される
・必要とされるしごとは新しくつくり出していく時代

小さなナリワイ、3ビズが必要とされている社会的背景

・働き続けたくても働き続けられない状況を変える必要がある
・標準家族を基準とした社会保障制度を変えることも両輪だ
・行政は信用支援でいい。お金でなくいっしょにやる、後ろにいるという立ち位置。
・行政とともに進むなら、行政が動きやすいように動くこと。
・女性にやさしいまちづくりは誰にとってもやさしいユニバーサルなまち
・女性が働きやすい・暮らしやすい=地域にとってハッピーである
・何かはじめたいけどどうしていいかわからない人たちがロールモデルを求めている
・小さな取り組みがネットワーク化すると社会を変えるムーブメントになる

男性の関わり方について

・専業主夫になりたい大学生の男子が8割いた→選択肢の一つとしてあってもいい!
・一人の稼ぎで家族を食べさせる時代は終わっていることを若者がわかっている
・自立した人同士が支え合う「H」の関係が一番いい。
・男女ともに意識改革が必要。男が食わせるというバイアスを取り除かなければ男もつらい。
・男の自由と権力は「ガラスの地下室」
・女性が生きやすい世の中=男性にとっても生きやすい世の中

女性活躍とは?本当に働きやすい環境とは?

・女性は三重労働。稼ぐ仕事、家庭の仕事、地域の仕事。
・男女で仕事をわけている時代ではない
・女性の活躍というだけでなく男性の働き方や生き方改革を同時に進める必要がある。
・女性や子供の問題では政策提言につながらないが、男性の問題になると政策提言につながる。
・女性が発言する場が必要だ
・そのために議員や政治家として発言する人も必要
・3ビズやナリワイと「政治」は表裏一体の関係であることにも目を向ける必要がある


先生のお話を聞いたあとは、広石拓司さんのファシリテーションで、
参加者同士対話。
ちなみに、呼びかけ文はこちら(一部抜粋)

山形、埼玉、新潟、岐阜、南三陸。
いま、全国で広がっている「しごとづくり」のコミュニティ。
それぞれのまちに暮らすひとが、
自分がやりたいことや得意なことを起点に、
ちいさくユニークな商いを生み出し、互いに関わりあい、
まちなかで、アクションをしはじめています。・地域のマルシェでスイーツや雑貨を販売する人

・子連れで働けるシェアアトリエをつくる人
・高齢者に食事や講座で元気を届ける人
・停滞した商店街にクリエイティブなイベントをしかける人
・シャッター商店街にかけあってお店を活用する人これらの取り組みで大事なことは

単なる仕事づくりの話で終わることなく
仕事をつくろうと動き続けるコミュニティの存在が
そのエリアを、まち全体を元気づける存在になっていることです。ひとつの大きな会社、大きな資本力でなく、
ちいさな個人単体の商いが、同時多発的にまちで展開されることで、
まちの風景が変わり、まちに個性が生まれはじめます。
今しごとは経済活動という枠を超えて、
自由で能動的な表現活動となりつつあるのです。

しごとづくりはまちづくりになる。
労働生産人口の少ない地方都市でも
観光資源に乏しいベットタウンでも、
どこのまちでも、明日からできる主体的まちづくり。

第一回は2017年5月22日 「月3万円ビジネス」の著者 藤村靖之先生が主宰する
那須の非電化工房で実施しました。

最後に

去年1回目のギャザリングを非電化工房で実施した時、
藤村先生が「あとでふりかえった時、今日が分岐点だったと言うようになるでしょう。
みなさんは、歴史の分岐点にいる」という趣旨のことをおっしゃいました。

その時は、「さすが、先生、いいことを言うな~」と聞いていましたが、
2回目を終えてふるかえると
「あとでふりかえったとき、あれが分岐点だった」と言えるようにするには、
自分が行動することなのだと気づきました。

「一緒にやりませんか?」と声をかけたら、
矢口さん、トヨタ財団喜田さん、広石さん、なつ子先生、和田さん、
埼玉メンバー、鶴岡メンバーが、動いてくれ大きな希望を感じました。

また、ゆずれない大切な哲学・理念を共有し、活動は各自決めるスタイルは、
藤村先生がおっしゃる「コピーレフト・奪い合わないでわかちあう」そのものだと感じました。

近日中に、次の展開を発表できるよう、すすめてまいります。
みなさんもぜひ一緒にはじめましょう。
井東敬子


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