新年、あけましておめでとうございます。
本年も鶴岡ナリワイプロジェクトで頑張る仲間をよろしくお願いいたします。
今回は、鶴岡ナリワイプロジェクトの事務局スタッフで一年を振り返りながら、プロジェクトや個人として取り組んでいきたいことなどについて対談形式で話しました。
まずは、春から2016年度の鶴岡ナリワイプロジェクトが始まって、事務局メンバーも一新し、活動をスタートさせたわけですが、実践道場含め、このメンバーで動き出した時、どのような思いでそれぞれ動き出しましたか。
井東(以下井):今回は、あえて多様なタイプの人を集めた事務局にしました。そのおかげかどうかはわからないけど、多様な参加者が集まった2016年度だったな、と言う印象でした。特に、地域おこし協力隊の方がたくさん集まってビックリしました。
橋本(以下橋):私も以前地域おこし協力隊の隊員だったのですが、平成27年度で山形県内に70名以上います。自治体でそれぞれ取り組みはいろいろありますが、今回来た方の中には、任期終了後の自分自身の定住も視野に入れながら、鶴岡ナリワイプロジェクトのような、自分の地域でナリワイづくりを広めていきたい、という想いもあって、来た方もいたようでした。
黒澤(以下黒):確かに、協力隊もそうだし、色々な地域から今年度は集まりましたよね。鶴岡市、酒田市、三川町、遊佐町、庄内町、鮭川村、金山町、大江町。。。すごいですね!
井:しかも、今までは、誰かの知り合いとか、一度は聞いたことがある人が参加者だったんだけど、全く知らない人が応募して来てくださったって言うのが本当に驚きました。三年続けてきたから少し知名度が上がったのかな、と言うのもあるし、過去のメンバーが今も色々な人とコラボして活動しているのでどんどん広がっていっている実感があります。
稲田(以下稲):プロジェクトでの活動が終わった所が本当のスタートだって言っていた人もいましたもんね。
齋藤(以下齋):あとは、実践道場のメンバーにはならなくても、説明会でつながって一緒に動き始めた人なんかもいて、広がり方も多様だなぁ、と言うのは感じましたね。
だけど、実は正直な話、最初は仕事しにくかったです。自分がどの役割を担えるのかもわからないし、この仕事、ってはっきり決められているわけではない。本当にやっていけるのかな?って何度も思いました。
稲:確かに正直やっていけるか心配だったな。スピード感も、思いも全然違うから。
井:ナリワイプロジェクトの講座などでもお呼びしている広石さんに、相談した時に、その人がやりたい仕事ではなく、「できる仕事」を与えるのが一番いい、と言っていました。多くの人は、自分の得意なことがわからない。日本の教育も、みんな同じで、万能型に育てるような教育をしてきたから、みんな一緒じゃないと不安になるようにできている。だから、事務局のメンバーが、平等な時間で働いているかどうかわからないのに、同じだけお金をもらっていいのか?ってなることは不思議ではない。それぞれの仕事のやり方に合う仕事をわり振ることで、その人のやりがいを見つけていける。
橋:それって、ナリワイプロジェクトの始まりのきっかけにもなった「月3万円ビジネス」の本を書いた藤村靖之先生の”奪い合わないで分かち合う”と言う考え がすごく核心をついているんだなぁと改めて思います。
井:役割を最初からカチッと決めてしまうと、それができなかったらダメみたいに見られてしまう。個人ベースでもそうなんだけど、私達はコレ、あなたはコレ、みたいに、ナリワイプロジェクトの役割はこれです!と他との違いを明らかにしすぎると、分断がおきる。、もし、似たようなコミュニティづくりのグループができたとしたら、狭いエリアで競い合うことになってしまう。そうじゃなくって、お互い認め合いながら、できることをこつこつやる。
稲:一般的に、男の人って、現実的で、枠を決めてこれをして儲けていきたい、って形から整えようとしちゃう人多いですよね。女の人って小っちゃく行動するのが得意で、好きなことに取り組んで、ライフワークを作っていきやすいのかも。
黒:ナリワイプロジェクトではお金に関する講座もあったんだけど、それは、稼ぎ方というよりも扱い方って感じですね。お金は後からついてくる。もちろん赤字やボランティアではやっていけない部分もあるから、目標額をはっきりさせて取り組めば、仲間づくりをして、ほんとにいいことをやっている人は強いですよね!
井:今年度は、ナリワイ女性インタビューにも力を入れましたが、インタビュアーとして関わった蕗ちゃん、どうでしたか。
橋:インタビューをすることで、参加者の思いがはっきり見えてきた場面に何度も遭遇しました。それまでは、これがやりたい!と言う表の部分は理解していたんだけれど、しっかり話を聞くことで、これまで見えてこなかった根っこの部分に、私も本人も気づくことができたりして。そして、みなさん、自分の根っこの部分まで落とし込んでいけたら、動けるようになるんですよね、それは大きな発見でした。
齋:人に話を聞いてもらって、一緒に頭の中を整理して、気づくことってありますよね。でもそれは聞き手との距離感も重要なんだな、と感じました。
橋:最初、事務局は参加者の相談の仕事もあると聞いて、私は相談を受けるのは苦手だと思っていました。結果的にインタビューすることが相談を受けているみたいになって、なんだ、私にはこういうことができるし、やりがいがあるって思えるようになりました。
稲:それでは、最後にひとことづつ、今年やりたいことをお願いします。
井:まずは個人的には、健康づくり!自分と社会の運動不足を感じているので、動かしていきたいです。健康づくりって究極の“いいこと”のような気がします。身体が動けば地域も活力が生まれるし。
齋:私は、フラワーアレンジメントをやっています。植物があることで生活や暮らしにうるおいが生まれて、空間がイキイキする。でも、それって心に余裕がないとできない事なので、そんな心の余裕をつくる楽しみを、買った花だけじゃなくて庭先や空き地とか道端にある植物でも見つけてもらいたいと思っています。そのために、作業場にもなる拠点を見つけたいです。一人じゃなくて、もしかしたらナリワイプロジェクトで関わった仲間と何かいいところを見つけられるかもしれないとも思っています。
橋:私は引き続き、文章や聞き取りを通じてナリワイづくりをやりたい人のお手伝いができたら、と思っています。最近は、Facebookのページを作りたい人、一人一人の言葉をその場で聞きながらPRの文を考えたり、ちょっとずつやっていきたいです。
稲:去年はあれこれ手を出しましたが、今年はポイントをおさえて、こけし製作をメインに、創作活動、自分に正直に生きるってところを中心に持っていきたいですね。山にあんまりいけなかったのが残念だったので今年は自然に入る、をテーマにしようかな。
黒:今年はプライベートも仕事も両方楽しむ!去年は仕事ばかりしてしまって、せっかくの田舎ライフを楽しむ時間がなかったので。ナリワイに参加して、遊ぶ=人とつながることだと気付きました。人との対話の中から何でも可能性が広がりますよね。
今年は身体動かしてじゃんじゃん遊んで、そして時間を工夫しながら働きます!
井:ナリワイプロジェクトとしては、ひとまず3月で助成金を使っての活動は終了します。助成金は、仕組みを作るまでの立ち上げ資金なので、あとは、ビジネスとして、鶴岡市のような人口が少ない場所でもできる、ゆるやかなネットワークの中でできるやりかたをしていきたいです。当初、鶴岡市にはプレーヤーがいない、と行政はじめ、いろんな方から聞きました。でも実際動いてみたらこんなにプレーヤーがいるじゃないですか。卒業生が31名になりました。2016年度の参加者は延べ400名を超えています。思いがある人がいて、背中を押して仲間づくりができる仕組みがあればみんなプレーヤーになれるのかもしれません。
まだ何も決まっていませんが、大きくするのではなく、小さく、丁寧にナリワイプロジェクト活動をしていきたいです。
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