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<ナリワイインタビュー>no.5 佐久間麻都香さん 後編

放置された柿の木の手入れを行う、柿守人、柿の葉茶の製造販売を行っている佐久間麻都香さん(さくま まどか)のインタビューの後編です。(前編はこちら

ナリワイに対する想い

初めの頃は、柿の葉茶を作って販売することを職業にできないかと真剣に考えていたという麻都香さん。しかしあくまでもナリワイであるため、全ての生活費を稼ぐためにやることではないのだと思いました。「柿の葉茶を販売してちょっとずつお金を稼ぐということは、ナリワイのひとつのモデルとしてあり得るのだろうと思います。考え方を学ぶ場所としてはとても勉強になりました。今、正直にいうと自分は微妙な狭間にいて、農業をやるために、アルバイトを複数やりながら、ナリワイもしています。自分は不器用なので、両立できるか不安もあります。」と麻都香さんは話してくれました。

今年はどういう形でやっていきたいですか

柿の葉茶と帽子の麻都香さん

今年度は、「鶴岡マイプロに出会う旅」というプロジェクトに参加するといいます。首都圏に住んでいて鶴岡に興味のある方に、今、麻都香さんがチャレンジしているナリワイを一緒にやっていくことで、鶴岡での仲間との交流や地域貢献に参加していただくプロジェクトです。

柿守人では、柿の葉販売拡大プロジェクトとして、例えば、商品化のパッケージ、入れ物がどんなのがいいかアドバイスをいただいたり、販路について、喫茶店やお茶屋さんに置いてもらうにはどうしたらいいかなど、意見交換をしていきたと考えているそう。

 「『無農薬の柿の葉茶販売拠点』を展開させるためのアイディアや地元でも当たり前に柿の葉茶が飲まれるようにするには、どうしたらいいかを一緒に考えていきたいと思っています。」麻都香さんの思いは広がります。

写真7(自宅にてヤギさんと)

仕事に対するポリシー

仕事はお金だけではないけれど、葛藤はあるという麻都香さん、ナリワイもこれからどのようにやっていこうかといろいろな方に相談し、模索しているといいます。「これから農業をやりたいのというのはもちろんのことですが、それは、自分の中の最終目標を達成するためのステップアップだとも思います。鶴岡での生活基盤は農業にしたいと思っています。本業との組み合わせ。私は現在、畑を借りて庄内柿を作っています。庄内柿の価格が下がってきている今、柿の葉茶も一緒に販売することで、販路の拡大につながればいいと考えています。」

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ナリワイをしようとする人へのアドバイス

「『こうしなきゃいけない』みたいな枠を自分で作らず、柿守人が柿の葉茶にたどりついたように、「違うな」と思ったら、柔軟に諦めることも必要です。お金をかけていないので、やりながら軌道修正し、目的までの道のりを変えるだけだと思うことも必要だと思います。ナリワイに対する考え方は、人によって違うと思うのでずが、私は伊藤洋志さんの本を読んでナリワイというものを知りました。井東さんの話からナリワイというものを知った人の中には、もっと柔軟に頭を使ったらいいのにとか、伊藤洋志さんの本を読んだらいいのになと思うことがあります。好きなことだけで仕事にしようというイメージだと、自分は違うと思うのです。それでは、ナリワイが生活に余裕のある人のやることと思われてしまうのかなと思います。」

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麻都香さんが農業をやろうとしているのは、おそらくブルキナファソでの暮らしがあったからだといいます。「農業=生きること。ブルキナファソの人々が生きるために農業をしているのを間近で見てきたからです。本来農業というものは人間が生きていくために作物を作ることであり、その目的はどこの国でも変わらないはずです。しかし最近の日本の農業を見ていると少し違うような、違和感を覚えます。私は生きるための農業がしたい。しかし食べるものを作るだけの農業を日本でやっていたら、ただの趣味に思われるでしょう。その辺の葛藤があります。私は少量多品目栽培や循環型農業は、生きるための農業だと思うのです。それを経営としてやっていくということが、自分の中で越えなくてはいけない壁だと思っています。ナリワイで学んだ考え方を取り入れながら取り組んでいきたいと思います。」

 外に出たからこそ見えてくることがあります。農業とナリワイを組み合わせながら、自分の目標に向かって、一つずつ進んでいこうとしている麻都香さんの笑顔がとても素敵でした。

 (平成27年7月27日取材・撮影 俵谷 敦子)


 

佐久間麻都香さん
仙台市生まれ
20代
ご主人と二人暮らし
柿守人http://kakimori.handcrafted.jp/


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