2014年にNPO法人明日のたね(子育て支援団体)を立ち上げ、ナリワイプロジェクトの事務局なども兼任し活動している丹治亜香音さんの後編です。
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NPO法人立ち上げでの葛藤
NPO法人明日のたねを立ち上げ、子育て情報サイトTOMONIの運営、子育て応援事業を始めました。しかし、サイト運営の委託費はゼロ。今までは補助金で開催できていた企画も、今までの価格では開催できなくなり参加者が集まらなくなりました。「企画から書類作成から今までは他の人が動いていてくれたからできたことばかりだった。自分で事業をやってみたらできないことだらけ。法人の手続き・総会の準備など代表の伊藤和美さんに頼りきりで自分はダメ人間だと落ち込んだこともあった。このまま立ち上げることすらできないかもしれないと思うぐらいバラバラだった状態もあったけど、3人で乗り越えて関係性が強くなってきたのだと思います」と亜香音さんは振り返ります。
ナリワイプロジェクトへの参加
ナリワイプロジェクトには明日のたね代表の伊藤和美さんが「自分たちで団体を立ち上げて食い扶持を稼ごう!それにはナリワイだ!」と言い、当初団体で参加していました。今年からは個人でもやってみたい!と思い始めています。
亜香音さんのナリワイ
「自分の好きなことと社会にいいことを掛け合わせるとナリワイになるよ」と言われて、水泳を子どもたちに教えるのが好きだったのを亜香音さんは思い出しました。知り合いに「うちの子教えて」と言われて泳げない子を教え、その子がスイミングに通ってもいないのにメキメキ上達するので、他の親からも教えて欲しいと頼まれて10人ぐらいを教えていたこともあるそうです。意外と身近に困っている人はいて、そこにナリワイのタネがあるのではないかと亜香音さんは感じています。
スイミングスクールもあるけれど、集団が苦手な子どもや、時間が合わない人、スクールで教わるのは今更恥ずかしいっていう大人もいると思う。そういう人たちと、先生と生徒というより、親戚のおばちゃんが教えているぐらいの感覚でプライベートレッスンをしたいと亜香音さんは考えています。
今年からナリワイプロジェクトのメンバーのお子さんやトライアスロンに出たいのでちゃんとしたフォームを習いたいという大人の方とレッスンを始めています。「自分の空いている時間を使ってのナリワイだから縛られる感じがなく、自分自身のリフレッシュにもなるので楽しい。ずっとやっていきたい。跳び箱や逆上がり、プール以外のことでも、それが嫌いだった子が私と一緒にやってみて楽しいって思えるようになるような時間を提供したい。」とこれからの目標を語ってくれました。
実際にナリワイをやってみて
「子どもを育てながら働く中で、仕事ばかりでは嫌だし、子育てばかりでもつまらない。NPOの活動もしたいし、時間に自由がきく仕事があればいいのにと思っていました。もし月に10万円欲しかったとして、同じ所で頑張って働くっていうのが当たり前のようにあるけど、自分の空いている時間に好きなこと×社会にいいことをしてお金をもらえるっていうのを3箇所とか4箇所作ればその金額になるのだと分かった時に、この働き方を覚えたらこの方が精神的にも体的にも楽だなと感じた。こういう働き方を知らなかったらもっと違う縛られ方をしていたかもしれない。」と亜香音さんは振り返ります。
「ナリワイづくり」をしてみようという人へのメッセージ
「私はナリワイプロジェクトに参加して、色んな職業をもっていい、その人がその人らしかったらいいと知ってから働き方への考え方が変わりました。例えば、私の夫が仕事のストレスで心も体もしんどくてどうしようもなくなった時に、『やめてもいいよ』って言えるし、自分自身も人に頼ってばかりではなくて、自分が稼げることをしようって考えるようになりました。失敗しようが、成功しようが気になっていることがあるなら、一回飛び込んでみて欲しいですね。ナリワイづくりをしている人の話を聞くだけでも違うと思います。しんどいな、疲れたなって思っている時や困ったことがあった時が、意外とチャンスかもしれませんよ。」
現在はNPO法人明日のたね、鶴岡ナリワイプロジェクト、公益のふるさと創り鶴岡などいくつかの仕事を掛け持ちながらナリワイづくりに挑戦している亜香音さん。子育てをしながら自分にあった働き方を模索してきた亜香音さんの生き生きした様子に、子育てをしながら楽しく働ける、そんな生き方がこれからの社会のモデルになるように感じました。
鶴岡市出身 41歳 家族:夫・小4の娘・義母
仕事:NPO法人明日のたね、鶴岡ナリワイプロジェクト事務局、公益のふるさと創り鶴岡などを兼業
NPO法人 明日のたね http://www.shonai-tomoni.jp/
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