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<ナリワイインタビュー>no.11 まつだわこさん後編

ナリワイインタビュー第11回目は、2015年に鶴岡市に移住した「きれいのありかた」主宰フェイススタイリスト、和装スタイリストのまつだわこさん後編です。(前編はこちら

「きれいのありかた」を探求していた東京での日々

「製薬会社で体のこと、医薬品のことを徹底的に学び『化粧品』『医薬品(サプリメント)』『心』のことを知っていくうちに、『肌』『身体』『心』が喜ぶ事を考えればスキンケアはシンプルでいいんじゃないのか、栄養バランス以前に、もっと大切なことがあるのではないか、そんな思いが強くなっていきました。『きれい』には月の満ち欠けをはじめとした自然の流れが深く関わっている。自分の体、心の状態を知って、自分にその時必要なのものを摂取していくことが肌にとっても凄く大事だなと気づきました」メイクにしても、全ての人に同じものが必要なわけではない。わこさんの中で今までの仕事とは違うやり方を模索したいという想いが募っていきました。

太陽を感じ月を意識し季節と調和して自然に添って過ごそう。それには和暦(旧暦)が合っている。そう感じたわこさんは和暦を意識した生活を送っていました。しかし、東京という環境では自然に添った生活をするために自然を探し回り必死にならなければならないことが多く、本来リラックスした過ごしやすい生活するために和暦を意識しているのに、ストレスを感じ、その矛盾に苛まれていました。そんな折、鶴岡に嫁いだ友人に誘われ遊びに行くことになったのです。

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ちょっと遊びに行くつもりが引っ越すことになるとは・・・と思い出し笑いのわこさん

 鶴岡での出会いと移住の決心

鶴岡では伝統野菜などその土地ならではの食事を堪能し、羽黒地区にあるハーブ研究所山澤氏や櫛引地区の知憩軒の女将さんにお会いし、人生、自然、植物、絹などのお話を伺い、それが心に響いてきて、定期的に鶴岡に来ようと感じていたわこさんは、最終日に一人で登った羽黒山で、その気持ちに確信を持ったと振り返ります。

「とにかく鶴岡に行かなきゃ。何も考えず行こう。ここで自然と繋がって生きることを学び、今までずれていたものを取り戻したい。そのためにはバイトを掛け持ちしてでも食べていこう。」

そう決心したわこさんは、その一ヶ月後、鶴岡に移住しました。

移住した翌日にはナリワイプロジェクト代表の井東敬子さんと出会い、鶴岡市役所で移住の経緯や経歴などお話しして、仕事や生活のアドバイスを受け、不安がなくなったそうです。

井東さんからは、プロフィール写真を撮影しているカメラマンの東海林晴哉氏を紹介され、撮影のためのメイクとアシスタントをわこさんが担当することになり『Haru&Waco スペシャルコラボ ポートレート&プロフィール写真撮影』というナリワイをスタートすることとなりました。

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プロフィール写真撮影を行う東海林氏とアシスタントのわこさん

 移住して始めたメイクアドバイスの手ごたえ

2015年7月に移住したわこさんは、鶴岡でメイクレッスンなどを行える場所があれば実施したいと考えていました。そんな中、現在スタッフの一人として活動するフリースペース「オオキナキ」を紹介され、メイクアドバイス、魅せる素肌のためのお手入れ講座や和装着方お稽古、和装に親しむ会などを始めました。

「鶴岡に来て、改めて女性はみんなきれいになりたいと思っていると感じました。心は顔に現れるから顔のコンプレックスがなくなれば心が明るくなり、いつも笑顔でいられる。ほんのちょっと自分の笑顔スイッチを入れるテクニックとしてメイクをお伝えして、その人が自分に必要なセルフケアが出来て、笑顔でいて貰えたらと感じています。メイクは隠すためではなく魅力を引きだすもの、日々ワクワク楽しんで欲しい。」とわこさん。

日照時間の短い鶴岡、特に気持ちも暗くなりがちな冬にはカラーセラピーを取り入れたり、メイクで気分を変えて明るくなれるように提案していきたいとわこさんは考えています。

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ナリワイプロジェクト井東代表にメイクを施すわこさん

鶴岡で始まる特別な日のためのナリワイ

移住後、ナリワイプロジェクトの実践コースに参加したわこさんはこれまで温めていた想いの実現に挑戦しています。「東京の写真館で行う七五三や成人式の御支度の仕事に携わっていた時、『先祖への感謝の日でもある晴れの日』を迎えることは当人だけでなく家族、親族のお祝いでもあるのに、家族から離れた場所で一人で支度してその姿だけを撮影する。それはなんだか寂しい。家族に見守られながらお支度をし、見守る家族がウルッとしていたりするようなほほえましい姿を含めた全てを写真に残せたら一層『記憶に残る一日』となるだろうし、単なる記念日でなく『絆』が本当に深まる日になるのではないかと考えていました」とわこさん。東海林氏とタッグを組んだとき、実現できるかもしれない、これをナリワイにしていきたいと感じたそうです。

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今後は七五三や成人式など晴れの日の御支度を提供していきたいとわこさん

ナリワイをしてみたい人へのメッセージ

何かやってみたいという気持ちがあるなら、まず参加してみて欲しい。人間は変わるために、成長するために生きているので、悩んでとどまっていてもけして幸せではないのだと思います。勇気を出して一歩踏み出してみれば絶対プラスに働くはずです。出来ないことは与えられない。成長したいなら、幸せになりたいなら、最初の一歩踏み出しましょう。メイクも同じです。これでいいと思ったらそれまで、全ての女性がきれいになりたいと思ったらいくらでもきれいになれるんです。

今後の展望

鶴岡に移住してきた時は、メイクや着付けを出来るとは思ってもみなかったのですけど、こういう機会を頂けてやるべきことなのだと感じたし、かつてShuUemura氏に託されたことをきちんと伝えていこうという気持ちでいます。女性がきれいで笑顔でいたら子どもも幸せだし、旦那さんも幸せ、まわりのみんなも幸せだと思います。どこにいってもそのお手伝いが出来たらと思っていて、メイクだけじゃなくて肌の根本的なケアを地元のものを使って「こうするともっと効果的ですよ」ということを提案していきたいと考えています。着物のこと、肌のこと、鶴岡で出来ることを勉強していきたいし、伝えていきたいです。

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インタビューを終えて

鶴岡に単身、わこさんがいらっしゃった時、今まで見たことがないぐらい素敵で独特の雰囲気の女性だと感じました。今までの道のりを伺って、心も体もしなやかでたおやかで、でもそれは「自分に出来ること×他の人が喜ぶこと」をずっと追求されてきた結果の現在なのだと感じました。

写真に写るとても可愛らしいわこさんの姿と「全ての女性がきれいになりたいと思ったらいくらでもなれます」という言葉が重なり、私自身、もっとキレイを意識して変わっていきたいなと感じました。
(ライター:はしもと蕗)

 


まつだわこさん

山口県岩国市出身 40代 一人暮らし
2015年東京から鶴岡市に移住。
ナリワイ:「きれいのありかた」主宰フェイススタイリスト、和装スタイリスト


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