ナリワイインタビュー第2回目は、1回目の諏訪部さんの「布ナプキン」の試作も担当したという「針しごと〜ちくちくらぶ」の福井今日子さんにお話を伺いました。
「ナリワイ」をやろうと思った理由
専業主婦だった福井さんがNPOの事務局でのお仕事をするようになり5年が経ちます。毎年、年度末になると、次年度の契約更新で、次はどうなるかという不安があったといいいます。そんなときこの「ナリワイ」のことを知りました。
入園入学グッズを以前からよく人に頼まれ作っていたという福井さん。専業主婦をしていたときに、時間が沢山あったので、子ども服や帽子を作ったりしていました。独学と知人にコツを聞きながら、裁縫をしてきたといいます。そこで、入園入学グッズを作れないお母さんたちに作り方を教えたり、ミシンを貸したり、お母さんたちをサポートすることで「ナリワイ」をやってみてはどうかと思いました。
「小さな家庭科室のイメージです。裁縫道具を持っていない人、ミシンをわざわざ買ってまで使わないという人たちに対し、道具があって、何人かでそれを使う。使う順番がまわってくるまで、ここどうするのか皆で聞ける場所づくりになればいいと思いました。先輩ママと後輩ママの情報交換の場にもなったらいい」と福井さんはいいます。家でもでき、好きな針仕事に絡むことでやってみようと思ったそうです。
実際に「ナリワイ」を始めてみて
昨年のナリワイづくり工房@鶴岡で「針しごと部」としては、部長の福井さん、場所の提供者、広報担当者、自分も作ってみたいという人など最初は5名で行いました。部活では、てぬぐいを使って赤ちゃんのズボン作り、個別対応で妊婦さんのマタニティウェア作りのワークショップを行いました。
実質活動で動いていたのでは自分一人でした。知人宅のカーテンやパソコンケースを作り、Facebookで発信したことで、それを見た方から製作をお願いされました。また、帽子の問い合わせをいろいろいただきました。いま、鶴岡市自然学習交流館「ほとりあ」にあるウシガエルやザリガニの帽子は、図鑑を見ながらの製作となりました。頼まれるものは、特注扱いの一点ものです。ザリガニの帽子は、試作も含め、型紙から全て起こしたので大変でした。実は、納品したら小学生の息子に自分のは無いのかと言われ、もう一つアマガエルを作ったのですよ(笑)。
鶴岡の在来野菜でお馴染みの赤カブの帽子も、実は福井さんの作品です。製作個数が少ないものしか受注できないのですが、逆に受注の数が多いと一人で作れなくなるので、製作件数としてはあまり多くないそうです。
また、ナリワイづくり工房@鶴岡の「ワークショップの作り方」研修でデモンストレーションを行いました。30分でできる枝豆のストラップを作りました。材料費がかからないように、フェルトの端切れをまるめて、粘着テープ付きのフェルトを貼って、ハサミで切ります。時間とお金をかけずに、手軽に出来るワークショップを心がけました。ナリワイづくり工房@鶴岡の中間報告会のときには、干し柿の吊るし物を作りました。
やってみて思ったこと
私の育った家庭環境は、父親は会社勤めをしていたが自分の小さな船で漁もしていたし、母親も家のことをしながら漁や漁協の手伝いをしたり、編み物したりしていましたので、「ナリワイ」を自分の中に落としやすかったと福井さんはいいます。
実際に「ナリワイ」をやってみて一番難しいと思ったのは、自分の「ナリワイ」をどれだけ広めたいのか、どこまでやれるかの範囲と、作品の値段の付け方でした。値段は自分のやったことへの対価なのですが、材料費はともかく、工費は隙間の時間でしているので、実際時間がどの程度かかっているかよくわかってないのですよね。
やっておいてうまくいったのは、工程の説明や途中経過をお知らせすると、なあなあになりませんでした。また料金を決めておくと、自分にも責任が伴うし、仕事だという意識が持てると思います。
(後編に続く)
福井今日子
針しごと~ちくちくらぶ~
鶴岡市生まれ。
40代。
家族 夫、子(中学生と小学生)、夫の両親
職業:NPO法人 公益のふるさと創り鶴岡 事務局スタッフ
針しごと~ちくちくらぶ~ https://www.facebook.com/nariwai.tsuruoka.tikutiku
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